COA（Certificate of Analysis）とは、製品の安全性と品質を証明する証明書

COA（Certificate of Analysis）は、製品が安全で品質基準を満たしていることを示すために、独立した第三者検査機関が発行する分析証明書です。主に原材料や完成品に含まれる成分や有害物質、微生物汚染などの検査結果をまとめたドキュメントとして機能します。

COAが重要視される理由

COAは単なる書類ではなく、「製品に対する信頼性の証明」という役割を持ちます。特に、 CBDや食品系のサプリメントなど、口に入るものを扱う業界では安全面の保証が欠かせません。

• 消費者が安心して使用できる
• 法規制を遵守しているかを示せる
• 製品の品質（成分含有量や安全性）を客観的に証明できる

さらに2024年12月より施行される改正大麻取締法では、THCの残留限度値が厳格化されます。
油脂・粉末は10ppm、水溶液は0.1ppm、その他の製品は1ppmというように細分化されているため、 COAを用いて法適合状況を明確に示す必要があります。

1. 検体情報

COAには対象となる製品名、ロット番号、サンプル採取日などが明記されます。
これにより、特定ロットの製品に対して一貫した検査結果を管理・追跡することができます。

2. 検査機関の認証と信頼性

検査機関がISO17025などの国際的な品質規格を取得しているかどうかは、COAの信頼性を担保するうえで極めて重要です。 特に、厚生労働省指定検査機関やアメリカのACIL加盟機関であれば、より高い信頼性を期待できます。

3. 分析項目

カンナビノイド製品の場合、CBD、CBG、CBN、Δ9-THC、THCAなどの含有量が特に注目されます。 その他、重金属・農薬・残留溶媒・微生物汚染なども重要なチェック項目です。

4. 測定値と検出限界（LOD/LOQ）

COAには、測定値だけでなく検出限界（LOD/LOQ）の情報も記載されます。
「ND（Not Detected）」と書かれていても、実際には検出限界未満の微量が残留している可能性がある点には注意が必要です。

5. 基準値との対比

新基準施行後は、Δ9-THC + (Δ9-THCA × 0.877)の値が各製品形態における許容範囲を超えていないかの確認が必須となります。
例えば「油脂・粉末なら10ppm以内」であればOKといった具合に、COA上での数値をしっかりチェックしましょう。

• 消費者の安心感向上：第三者機関の検査結果を提示することで、消費者が安心して製品を選べる
• 法的リスクの回避：新基準に適合しているかを証明でき、違反リスクを低減
• ブランド価値の向上：COAを公開することで「透明性の高い企業」という評価を得やすい
• 品質改善の指標：検査結果をもとに製造プロセスや原料選定を見直し、高品質を継続的に追求

1. ラベル情報とロット番号を一致させる

自社管理のロット番号とCOAのロット番号が一致しているか確認しましょう。

2. THC残留限度値のチェック

油脂・粉末10ppm、水溶液0.1ppm、その他1ppmを超えていないか、
Δ9-THC + (Δ9-THCA × 0.877) で比較することが重要です。

3. 主要カンナビノイド含有量

製品ラベルのCBD含有量とCOAの数値がどの程度一致しているか確認し、
マーケティング表記とのギャップを最小限に抑えます。

4. 安全性項目の合否

農薬、重金属、微生物、残留溶媒が基準内か確認。
特に海外から輸入した原料を使う場合は念入りなチェックがおすすめです。

5. ND表記の意味

「ND（Not Detected）」は、LOQ未満であることを示し、完全に0というわけではありません。